時間のない方でも読めるかんたん三国志のあらすじ!

207年1月

中国文学屈指の名著。三国志。物語として、かなり長いので、本編を読まずに、映画やゲームから入る人もいると思います。そんな方に、かんたんなあらすじをご紹介します。

三国志のかんたんなあらすじ

当時の時代背景はこちらを先にお読みください。

三国志は、魏・呉・蜀と3つの国を建国するお話。主役は、その中の一つ、蜀の劉備玄徳。そして、ライバルとして登場するのが魏の曹操。もう一つ、呉の孫権は、ちょっと脇役ぽい感じです。

皇帝の末裔なんだけど、今は貧乏で、むしろを売る「信義と仁徳を重んじる劉備」。宦官の末裔ながら、祖父が巨額の資産をため込み、金で地位を得た一族のエリート、才能溢れる曹操」。この二人のライバル関係を元に、お話を読んでいけば、わかりやすいと思います。情に厚い心優しい劉備、才能と野心にあふれる曹操の対比と思ってください。

三国志序盤:後漢の衰えと群雄割拠

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●劉備の物語
中国後漢の時代。政治は、自分たちのためだけに権力を争い、各地で暴れまわる黄巾賊を討伐できず。民衆は、飢えや病・族や役人の横暴に苦しむ。

そんな世の中を憂いた青年劉備は、天下を静め、民を救おうと立ち上がる。そして、劉備の信念・人徳に惚れ込んだ豪傑、関羽・張飛の二人は、桃園に義兄弟の契を結び、三人のドラマは、幕を開けることになる。

劉備

三国志14光栄

●曹操の物語
時を同じく、宦官として財を蓄えた曹騰の孫にあたる曹操は、一族の総力を賭けて、風雲の時代に乗り出そうとしていた。人物占いを得意にする許子将から、「治世の能臣、乱世の奸雄」と評された曹操。乱れた世の中こそ、自身の野望を実現するため、絶好の舞台となるのだった。

曹操

三国志14:光栄

●黄巾の乱

政治が乱れ、飢饉で飢えれば、反乱が起きるのは当たり前。各地で起きている黄巾の乱(張角率いる妖術の乱)をおさめるため、漢帝国の将軍、そして、曹操・劉備をはじめとする若き英雄達は、各地で戦う。

若き英雄たちの活躍で、黄巾の乱こそ平定できたものの、大地も人心も荒れ果てた。さらに、中央・地方では、汚職がはびこり、民たちを助けようとはしない。

そんな希望のない時代、宿命のライバル「劉備と曹操」は、黄巾賊と共に戦う中、古い時代の将軍たちでは、世直しはできないと見切りをつけ、互いが持つ英雄の資質を認め合うのだった。

●皇帝の死と朝廷の混乱

189年.皇帝「霊帝」が崩御し、14歳の劉弁が即位。この時、朝廷の実権を握っていたのは、私腹を肥やすことばかりしていた宦官。それに対抗する大将軍の何進は、若手武将の袁紹・袁術らとともに計画を練り、各地の諸侯を呼び寄せる。宦官側は、討たれる前にと、大将軍何進を騙し討ち。これに怒った袁紹・袁術は、宦官の皆殺しを行い、宦官の権力は失われることに。

この後、亡き何進の呼びかけに答えた董卓が上洛。力を背景に権力を奪った彼は、劉弁を廃して、劉協を献帝として即位させる。朝廷を支配した董卓は、悪逆の限りを尽くし、曹操・袁紹達は、従いたくないと洛陽から脱出する。
そして、董卓は、三国志最強の呼び声高い勇将呂布に名馬赤兎を与え、養子とすることで、最強の矛を手に入れることに成功。

●反董卓連合軍と董卓の死

董卓の横暴に怒った袁紹・袁術・曹操らは、反董卓連合軍を結成。董卓は、首都の洛陽を焼き払い、守りの固い長安に遷都。

ここは、序盤の見せ場で、豪傑達の華麗な一騎打ちを堪能できます。呂布対劉備三兄弟の戦いなど英雄・豪傑が輝く時。一方、董卓の圧政に対して、大臣の王允は、美女の貂蝉を使う計画を実行。これが成功して、董卓の首に、呂布の刃が振り下ろされるのだった。

 

207年1月の状況

●群雄割拠

董卓亡き後、さらに世は乱れ、各地に群雄が割拠。まさに、武田・上杉・織田・毛利・島津と大名が独立していった戦国時代と同じような状況に。

そんな中で、曹操は、いちはやく、帝を助けて、総理大臣と同じ役目を持つ丞相となる。

董卓が去り、焼き払われた洛陽で、伝国の玉璽を手に入れた孫堅(孫権の父)は、英雄の器を示すも劉表の部下黄祖との戦で戦死。その野望は、息子の孫策に引き継がれる。

さらに、名門貴族出身の袁紹・袁術は、北と南で勢力を拡大。呂布と劉備は、もつれた糸のように絡み合うも、歯車が噛み合わないままくっついたり離れたりを繰り返します。

覇王への道をひた走る曹操

●呂布対曹操

最強の武将、呂布は、勢力を伸ばし、曹操を脅かす。しかし、力を合わせれば、ベストパートナーになれそうな劉備を追い出すことを選んだ。追い出された劉備は、曹操の元で、客将となり、曹操と呂布の決着が迫る。

●袁紹対曹操

官渡の戦い

wiki

呂布を倒して勢力を拡大した曹操。次なる敵は、河北四州を制圧し、中華最大の勢力に成長した袁紹。

呂布・孫策に敗れた袁術。曹操の元から脱した劉備。傀儡の帝となった献帝のもと、謀反の狼煙もあがる。

ところが、北の覇者、袁紹は、これら曹操に対する勢力をまとめ上げることをせず、独力でも曹操を倒せると余裕を見せている。それに対して、四方を敵に囲まれている曹操は、すべての兵力・麦の一粒までもかきあつめて袁紹に挑む。そして、ついに、袁紹の大軍を官途の戦いで破り、袁紹の勢力を没落させる。

その頃、孫堅の意志を継ぐ孫策は、親友周瑜とともに、長江南岸の支配に乗り出す。連戦レ連勝を続け、江東の小覇王と呼ばれるようになった孫策。その彼に父と同じ悲劇が待っていた。

●覇王に近づく曹操と流浪の劉備

河北を支配した袁紹は、官途で、曹操に敗れて以後、力を無くし、死去。さらに、後継者を明らかにしていなかったため、後継者争いが生じて、袁家は分裂。曹操軍は、袁紹が支配した河北を傘下におさめる。

南では、兄の孫策を失った呉。後継の孫権は、兄の臣下に支えられて、勢力を伸ばす。親友であり天下を目指す偉大な主君を失った周瑜。自らが、孫権を支え、曹操を倒して、天下を目指す道を歩むことを決意する。

曹操に敗れた劉備は、南に逃れて、荊州の劉表のもとに身を寄せる。しかし、皇帝の一族である劉表は、年老いて、領土を守るのが精一杯。そして、後継者に悩む日々。次男劉琮は、幼いながらも、生母とその一族の後押しで、徐々に、後継者に近づきつつあった。

そして、流浪を続ける劉備は、運命を変える男と出会うことになる。

軍師孔明の登場と蜀呉同盟

●追い詰められた劉備の光明

北と中原を制覇した曹操は、かつての袁紹をはるかに超える勢力で、中華に敵なし。天下を目前とする。次は、南の劉表をターゲットに動き出す。

もはや、中華に大地なしと諦めの念を持つ劉備。ところが、そこで出会った徐庶に、軍師の戦を教えられ、曹操軍の先鋒を押し返すことに成功する。徐庶は、曹操の無理やりな人材引き抜きに屈して、劉備の元を去るが、荊州に、天才軍師の「臥竜:諸葛亮孔明」が潜んでいることを教える。

●天下三分の計

天下は、定まっておらず、四川の地=蜀を得て、呉の孫権とともに曹操に対抗する天下三分の計を劉備に示す孔明。ついに、龍は、劉備という乗り手を得て、遅ればせながら、戦乱の世に身を投じる。

荊州の主、劉表は、世を去り、後継の劉琮は、荊州を曹操に差し出す。曹操軍は、荊州を奪い、流浪の劉備、呉の孫権を下すべく、数十万の兵を引き連れて進軍する。

●赤壁前夜

数万の兵しか持たぬ劉備軍は、奮戦するも敵わず。単独で、曹操に対することはできないため、孫権の決断を待つことに。孫権を動かすために、諸葛亮が出向く。

しかし、圧倒的な曹操軍の前に、降伏論が強い孫権陣営。そこに、現れた周瑜と孔明。孫策の遺志を継ぐ周瑜は、孫権の心を燃え上がらせて、曹操軍との戦いを決意させることに成功。いよいよ、三国志最大の戦い、赤壁の戦いが、ここに始まる。

周瑜

三国志14:光栄 周瑜

●赤壁の戦い

圧倒的な兵力を誇る曹操は、周瑜率いる孫権軍と長江を挟んで対峙する。三十万対三万とも言われる兵力差で、勝利を掴むために苦悩する周瑜。孫権軍のメリットは、長江で鍛えた水軍とジョーカーたりえる劉備軍。

圧倒的な兵力も、死域近くまで追い詰められた人間の知恵にはかなわず。長江沿岸の曹操軍は、紅蓮の炎に焼かれて燃え上がる。苦肉の策・連環の計・火計が続けざまに成功して、曹操軍は、敗走。逃げ出す曹操を追い詰めたのは、劉備の義弟「関羽」。一騎当千の彼の前に、曹操の命が差し出された。

●天下二分と天下三分

赤壁で曹操を破った劉備と孫権。孫権の妹が劉備に輿入れして、表面での同盟は強固に。しかし、孔明の戦略「天下三分」に対し、周瑜の戦略は、劉備を外した「天下二分」。水面下での軋轢は、静かに英雄の溝を広げていく。

だがしかし、孫家に、三度の悲劇。呉の総司令官として、荊州攻略にあたっていた周瑜が病に倒れて帰らぬ人に。稀代の英雄を三度も失った呉は、底に鬱憤をためながら、劉備の益州侵攻を認める。

一方、北西では、西涼を支配する馬超とその同盟者韓遂が、曹操に戦いを挑む。錦馬超と呼ばれた名将の馬超は、曹操と五分の戦いを繰り広げる、

劉備の蜀建国と去りゆく英雄たち

●劉備の益州攻略

天下三分の計を目指して、益州に進出する劉備。益州を支配する劉璋は、四囲の敵に対抗するため、劉備を迎え入れることを決意するが、劉備が益州を獲ろうとしていることを知り対決する。劉備は、臥竜・鳳雛と称された軍師の龐統を落鳳坡で失うなど苦戦するも、戦になれた劉備軍の前に、劉璋は、降伏する。

●激闘!劉備と曹操

天下三分の計がなった劉備軍。馬超を下した曹操は、漢中から益州の劉備と雌雄を決すべく戦いに向かう。そして、荊州に残る関羽は、荊州から北進し、中原を望む。これまで、曹操に追い回されるばかりだった劉備は、益州と孔明を得て、ついに互角の戦いを挑むことになった。

●孫権の裏切り

漢中・荊州と2方面からの劉備軍の侵攻に苦しむ曹操。劉備が曹操を倒した時のことを心配する呉の孫権。中原を伺い侵攻する関羽は、蜀呉の同盟に安心して、背後をがら空きにしていた。孫策・周瑜を失った孫権は、自ら天下を奪い取るほどの才能がないことを自覚していた。周瑜が目指した天下二分は、周瑜がいてこそ実現できる計画。魏の曹操を蜀・呉で倒しての天下二分は夢物語に過ぎず、強くなった蜀に圧倒される未来しか見えず!

●英雄の死

孫権の裏切りで、関羽が戦死。同じ時に生まれなくても、同じ日に死ぬことを願った義弟の死に動揺する劉備。

魏王となり、漢王室を追い詰める曹操。しかし、彼の命もまた尽きようとしていた。後継を長男の曹丕に譲り、己の死に向けて準備する稀代の英雄。

最強の魏が、乱れる中。関羽を失った劉備は、呉の孫権を討つことに決める。最も強い魏を放り出して、弱い二国が争うのは、戦略として愚策。孔明をはじめとした反対を押し切り、信義と徳を信念に生きてきた劉備は、愚策を知りつつ、戦に向かう。そして、もうひとりの弟、張飛の命もまた尽きてしまう。
●弔い合戦

関羽・張飛の敵討ちと、長江を下る劉備軍。孫権は、若き英才「陸遜」にすべてを委ねて迎え撃つ。破竹の進撃を見せる劉備軍の前に、孫権軍は、押しまくられるばかり。

ところが、夷陵まで下がった陸遜は、乾坤一擲の策を成功させて、蜀軍を打ち破る。敗れた劉備は、白帝城で死期を悟り、孔明を呼ぶ。

諸葛亮孔明の孤独な戦い

孔明

三国志14 光栄

●残された孔明と次代の英雄達。

三国志初期の英雄達が次々に世を去り、残された諸葛亮孔明。戦で疲弊した蜀の国力を回復させ、呉との同盟を復活させて、魏に挑む準備を整える。

蜀の南の異民族を服属させた孔明は、出師の表を劉備の息子「劉禅」に捧げて、魏攻略の戦を始める。

●運に恵まれない諸葛亮の悲劇

劉備の遺志を継ぎ、魏に戦いを挑む孔明。魏は、司馬懿仲達を総司令官に任じて、孔明の侵攻を防ぐ。戦略で上回る孔明は、魏を何度も追い詰めるが、どの戦でも、運が味方せず、小さなほころびが生じて撤退する羽目に。

●諸葛亮の最後

挑んでも挑んでも亀のように、陣を固める司馬懿。長引く戦は、諸葛亮の体を蝕んでいく。

そして、ついに、五丈原の地に巨星墜つ。英雄・豪傑が去り、愛弟子を斬り、それでも、戦に挑んだ孔明。三国志の物語は、孔明の死をもって幕を下ろすのがふさわしい。

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