すぐ分かる!三国志の背景をかんたんにご紹介します。

三国志の新しい映画、大泉洋が劉備玄徳を演じる新解釈「三国志」。これを機会に、三国志ブームが再来すれば嬉しい!

この映画は、歴史好き以外にも好評なようですし、初めて、三国志を知る方も多いのではないかと思います。そこで、三国志初心者の方が、当時の状況をわかるように、紹介してみます。

時代は、184年から280年頃。日本は、邪馬台国の時期になりますね。女王卑弥呼が、三国志の一国「魏」に使いを送ったことが有名です。

●秦から普に至る経緯。前漢~後漢の間は、約400年!

三国時代まで

ちなみに、この時代の日本は、はっきりとした文献が残っておらず、謎だらけ。三国志の場合、正史に加えて、物語性の強い演義を残してくれているため、エンタメとしても楽しむことができます。

ということで、かなり昔のお話になります。

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かんたんな三国志の紹介

三国志とは

中国は、秦の始皇帝が、初めて統一王朝を作ったところから、しっかりとした歴史が残っています。ここの中国統一話は、マンガの「キングダム」で、知った方も多いと思います。

その秦を倒した劉邦の漢帝国は、前漢・後漢と波乱ばかりながら、なんとかかんとか頑張って、約400年続きます。しかし、長続きしたことで、トラブル多発、ついに滅んでしまいます。その「漢」が、滅び、新たな国を作るお話が、三国志です。

なぜ、三国志が人気

三国志=三国時代は、日本の戦国時代と同じく、戦乱の世であり、多くの英雄・軍師が活躍しました。その活躍ぶりを物語にした三国志演義は、友情・努力・勝利を兼ね備えた面白い話として、後世、人気となったのです。今回のお話もその三国志演義を元にすすめます!

●魏・呉・蜀の分類は、こんな感じ。当時の中国は、黄河流域が、一番の文明地域で、中原と呼んでいました。その地域を抑えている魏が、最大の国力を誇る有力国。

三国志の地域

出典:三国志ウィキペディア

登場する国と主な人物

後漢:三国時代の前の王朝。劉邦の子孫を皇帝として400年続きました。末期には、飢饉・疫病が続く時代のなか、皇帝の跡目争いが続き、各地で反乱(黄巾の乱)が生じる。にもかかわらず、去勢された宦官・皇帝の母や后の一族である外戚・官僚による争い続きで、中国全土に目が届かなくなり、三国の一つ「魏」に滅ぼされる。

:三国志の英雄かつ敵役となった「曹操」が、作り上げた国。中国の中央・北部を支配。三国の中で、最強・最大の国。後漢最後の皇帝「献帝」から強制的に、皇帝の位を譲り受けることで、漢⇒魏へと王朝を交代させることに成功。曹操は、宦官の子孫のため、血筋・権威は、いまいち。お話の中では、悪役に近い。

:三国志演義の主人公「劉備」が作った国。現代の四川省あたりを国とする。三国の中で、人口・面積などで、一番、小さい国。劉備は、漢帝国の皇帝一族を主張していて、漢の復興を旗印に戦う。物語の終盤に、後漢が魏に滅ぼされたため、国名を蜀漢として、漢帝国の後継国を名乗る。血筋という正当性があること。最後は、魏に滅ぼされてしまう悲劇もあり、蜀=劉備が主人公。

孫堅~孫策・孫権と続く、中国南部の豪族が建国した国。中国南東を支配する国として、魏・蜀とともに、三国時代を作り上げる。有名な赤壁の戦いは、呉(孫権)と魏(曹操)の争いに、当時、流浪に近かった蜀(劉備)が援軍についた戦いであり、魏が勝っていれば、そのまま天下統一していたはず。ヒール(悪役)の魏、ベビーフェイス(正義)の蜀に対しての第三勢力で脇役。特に、孫権の代になると、天下統一を望む積極性を失ったため、魅力に欠ける立場となる。

主な登場人物紹介

献帝:後漢最後の皇帝「劉協」。第14代皇帝として9歳で即位。董卓~李傕~曹操と覇者の元、傀儡の皇帝となる。189年4月、父霊帝が死去すると兄の少帝が即位。その後、董卓が、少帝を廃止して、劉協を皇位につけた。この皇位を巡る継承争いが乱世のきっかけとなる。曹操の死後、曹操の息子「曹丕」に帝位を譲り、後漢は滅ぶことになる。

董卓:西側の騎馬民族の多い地域。西涼の太守。王朝の混乱に乗じて洛陽に乗り込む。幼帝を手中に収めた後、群雄の攻撃を呂布の活躍などで乗り切る。序盤のいかにもなイメージどおりの悪役。驕りから悪行を繰り返し、美女「貂蝉」をめぐり、呂布に斬られる。

呂布:三国志最強の猛将。愛馬の赤兎馬を駆って、戦陣を疾駆すれば、天下無敵。天下には、興味がなく、武将としては最強も大将になるには、頭脳に問題あり。養父二人を斬り、恩人だった劉備の地位を奪うなど、人格にも問題あり。貂蝉をめぐり、董卓と争う。

貂蝉:古代の中国四大美人の一人。三国志演義が作った架空の女性。後漢朝廷に仕える王允が育てる。王允の打倒董卓計画の駒となり、呂布を惚れさせた後、董卓の側室になる。それによって、董卓と呂布を仲違いさせることに成功。

袁紹:名門出身のお坊ちゃま。後漢末期、宦官と対立し、壊滅させることに成功。しかし、董卓との争いに敗れて、地方に逃れる。その後、諸侯軍を結成して、打倒董卓を目指す。董卓没後、名門の力を利用し、冀州を中心に、群雄最大の勢力にのしあがる。帝を握る曹操と激しく戦うも、官途の戦いに敗れてから、ジリ貧となり、病死する。今川義元&武田信玄をあわせたようなイメージ。

三国志の主役と部下

魏:曹操軍

曹操:この物語で、一番、有能な男。名門ながら、祖父が宦官である家柄にコンプレックスがある。その流れからか血筋だけの皇帝に疑問を持つ。力を持つものが、覇者となり、新たな王朝を開くという考え方の元、天下統一に向けてひた走る。初期のライバル袁紹より、血筋・勢力に劣るため、黄巾の乱・董卓討伐などでは、少数の勢力で奮戦する。

才能のある人物が大好きで、優秀な人を集めるのが趣味。関羽を勧誘するが失敗する。自身も軍事・歌の才能を持つ名将。やや冷酷な面があり、織田信長の人物像に近い。美女に溺れたり、大軍で油断したりと人間臭い面のある男。

曹丕:曹操の次男で、魏の初代皇帝。戦は上手くないが、政治の手腕はなかなか。弟の曹植との争いに勝ち、後継者に選ばれる。

司馬懿:魏の重臣、軍の最高司令官として、諸葛亮孔明と戦う。孔明の天才を誰よりも理解しているがゆえに、正面から戦に勝つことを目指さない。攻め込んでくる蜀の孔明を持久戦に持ち込み耐えることによる勝利を得る。三国志後半での敵役。子孫が、魏を滅ぼし、晋王朝を建てる。

蜀:劉備軍

劉備:関羽・張飛・諸葛亮とともに、蜀を作り上げた男。漢の中山靖王の末裔を自称。漢王朝を建て直すことで乱世をしずめることを目的に戦う。民を大切にする人情家で人を惹きつける魅力と信義を大切にするところが、セールスポイント。関羽・張飛と桃園の誓いで義兄弟となるところから三国志が始まる。こんな人が上司だったらいいなあと理想をおもいっきり詰め込んだ人物。部下の方が優秀で、本人は、少し抜けていたりするところも含めて、まさに、東洋っぽい理想の君主像。

関羽:劉備の義弟。おそらく、呂布に次ぐ豪傑。正義感に溢れ、常に劉備を尊敬する男。武将の中の武将といえる。おしむらくは、正義感の強さゆえか心が狭く、清濁あわせのむ器量が足りない。劉備と孫権の間を取り持つ位の器があれば、魏を滅ぼすこともできたはず。

張飛:劉備の義弟。呂布をほんの少しだけ小さくしたような男。粗暴かつ酒乱の傾向がある。
武勇は天下に轟くも、大将としての器には欠ける。嫉妬深い面もあり、劉備と孔明の仲を嫉妬するなど、人間らしい面が強い。ギャグ要素には欠かせない。

諸葛亮:「臥龍」と呼ばれる軍師。劉備に三個の礼で頼み込まれ、天下三分の計を授ける。ついには、志をともにし、軍師となる。軍事・政治ともに秀でており、智にかけてはナンバーワン。
そんな諸葛亮。残念なことに、弱点がありすぎ。何しろ、有能すぎて、仕事を部下に任せられず、人を見る目にやや欠ける。人の好き嫌いもあって、蜀一番の武将になった魏延がとにかく嫌い。

どんな人間も不思議な力で魅了し、なんだかんだと運の強い劉備とは、良いコンビだったのに、劉備が亡くなってからは、頑張っても報われない。「泣いて馬謖を斬る」など悲しい役回りを演じることになる。

呉:孫権軍

孫堅:孫策・孫権の父。董卓を討伐する諸侯の一員として洛陽に乗り込む。伝国の玉璽(皇帝の印鑑)を手に入れて、天下への野望を燃やすが、流れ矢に当たり戦死。

孫策:孫堅の長男。父の死後、袁術の元で成長。天下を目指して立ち上がり、親友周瑜とともに、呉の礎を築き上げる。英雄の器と恐れられるが、若くして戦死。周瑜とは、妻同士が姉妹。

孫権:孫堅の次男。呉の初代皇帝。戦の天才だった兄に対して、民政に才能を持つ。周瑜・呂蒙・陸遜といった優れた家臣に戦を任せる度量がある。ただし、天下を争う気概はないようで、自国を守ることを優先している。

周瑜:孫策の幼馴染で親友。呉の大将軍として、孫策の意志を継ぎ、孫権を支えて天下を目指す。赤壁の戦いでは、圧倒的な曹操軍を破り、天下二分の計を実行すべく荊州・益州を取りに動き出す。志半ばで、病死。彼を失った孫権は、天下への野心を無くす。美形・忠義心・軍略と三拍子揃った男。妻も美人。

新解釈三国志の予告編動画はこちら

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