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麒麟が来るに見るクラッシャー上司としての織田信長
- 2020/9/25
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- 織田信長, 麒麟が来る
部下を潰しながら、出世していくクラッシャー上司。有能であるため、問題点に気づいていながら、矯正されにくいという存在です。歴史上の人物で、クラッシャー上司といえるのは、なんといってもこのひと。そう天下布武の織田信長!
特に、麒麟が来るの織田信長は、なかなかも壊し屋ぶりを発揮しています。
クラッシャー上司とは
クラッシャー上司は、部下を疲弊させながら、業績を上げていくタイプ。成功・数字を出すことを至上と考えており、部下の気持ちや体力・気力のことは考えない。共感力も低く、自分は正義・良いことをしていると思いこんでおり、部下がうつ病になったり潰れて退職しても気にしない。人事部や上からの指導に対しても、甘いことを言うとばかりに無視することもある。
うーん、こんな上司は嫌ですね。しかも、有能や成績が良かったりするので、上からの覚えがめでたいこともあって、対応するのが難しいタイプです。
クラッシャー上司の特徴
「ほめる」ことができない
同調圧力
メタ認知がない
自分は正しいと思っている
承認欲求が強い
自己防衛が強い
クラッシャー上司は、元・東京慈恵会医科大学精神科教授の牛島定信と筑波大学社会医学系教授の松崎一葉が命名し、本を出版しています。
歴史上の人物では、織田信長がこのクラッシャー上司にあたると思います。そのため、羽柴秀吉・徳川家康など、彼にうまく対応できた人物を参考にすると良いかもしれません。
若いころの信長は、実母に嫌われ、家督を弟に奪われかけていました。林・柴田という家老も弟の信行側につき、信長の味方は、前田利家をはじめとした次男坊・三男坊達。この逆境から織田家の家督を継いだためか、性格に難ありな人物に育ってしまいます。
時代背景的に仕方ないところもあるのですが、実母の土田御前に嫌われたのは、幼い信長にとって、相当、ショックだったと思います。
麒麟が来るの織田信長は、クラッシャー上司かも
大河ドラマ「麒麟が来る」では、信長のクラッシャー上司っぽく、いびつで共感能力の低い様子が、何度も描かれています。脚本家は、クラッシャー上司を頭に描き、光秀が、本能寺の変を起こした理由の一つもそこにあるのではと想像してしまいます。
桶狭間の戦いで、今川義元を討ち取った織田信長に明智光秀が、お見事でございました。と勝利を祝ったところ・・・
「褒めてくれるのか」「これまで何を成し遂げても、誰も、褒めてくれなかった」
「帰蝶は何をしても褒める。いつも褒めてくれる。 あれは、母親じゃ」「次は美濃の国を獲る。美濃をとって帰蝶を喜ばせてやる」
褒めてもらい嬉しそうな信長。かなり歪んでいることを垣間見せています。これ、やばいですよね。何のために、戦をしているのか。帰蝶に褒められたいがため・・・ひいては、父親と母親に褒められたいために、戦をするのでは、戦に駆り出される兵や巻き込まれる民がかわいそうです。こんな動機で戦をしていては、麒麟が来ることはありません。いつまでも信長が抱えている飢えが満たされることはなく、常にピリピリギスギスしていることになります。
古今和歌集にある歌を読みながら、「冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあるらむ」冬なのに、花というのがわからないと帰蝶に対して、話していたところも、共感力のなさを歌にたくして見せていたのかもしれません。
信長が、母に嫌われていたのは、母上いわく、「そなたはいつも私の大事なものを壊す」という理由だったと明かされるわけですが、人の大切なものを踏みにじるところが、今後も出てくるのではないでしょうか。
佐久間信盛・林通勝が追放され、荒木村重や松永久秀の謀反を通じて、上様は、自分のことしか考えていない。天下を平定し、平和が近づいているのに、さらなる野望を求めて、外国遠征を言い出す信長。
家臣や国、民衆のことなど考えていないという絶望感から明智光秀が謀反を起こすのではないかと思っているのですが、どうなるでしょうか。