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徳川家康が語る「上司への直言・諫言を増やす方法」が、とても深い内容
- 2020/9/14
- 歴史に学ぶ職場対応術
- 徳川家康
日頃、部下から意見が上がってこないと悩んでいる方は、徳川家康のお話を参考にしてみてはどうでしょうか。徳川400年の基礎を作った家康公は、部下への対応について、たくさんの良いエピソードを残しています。
今回は、部下の意見をしっかりと聞くことについてのお話です。この人が社長だったら、組織の風通しが良く、部下も意見を言いやすくなるホワイト企業になるだろうなと感動します。
江戸時代にまとめられた「名将言行録」からの一幕
ある日、徳川家康と重臣の本多正信が浜松城にいたところ、一人の家臣が、話をしにきました。
普段から、考えていたことをまとめてきたので、ぜひ、聞いていただきたいとのことでした。
家康は、喜んで話を聞き始めました。ところが・・・話の内容は、ありきたりのことばかり。途中でイライラしてきた本多正信は、何度も話を遮ろうとしましたが、家康に目で止められてしまうため、我慢するしかありません。
それなのに、家康は、もっとももっとも、確かにと相槌を打ちながら、しっかりと聞いています。話し終えると、気づいたことがあったら、いつでも、話に来いと褒めて帰します。
家臣が帰った後、正信と家康は、先ほどの話がどうだったかを話しあうのですが・・・ここがいいんです。人の上に立ちながら、家臣の気持ちをわかる家康公はさすがです。
家臣の話をイライラしながら、聞いていた本多正信は、なぜ、殿は、あんなくだらない話をずっと聞いていたのですかと質問します。
家康公の答えはこうでした。
確かに、話自体は、ありきたりで、優れた内容ではなかった。しかし、わしに対して、思ったことを言うこと自体が、勇気のある優れた行いである。もし、わしやお前が、話の途中で遮ってしまえば、彼は、二度と話をしに来ないだろう。それは、彼だけではない。その話を聞いた家臣達の多くが、自分の思ったこと・気づいたことを話に来なくなってしまう。
それは、大いなる損失だ。自分の過ちに気づかせてくれる。様々な意見を出してくれる、そんな勇気ある志を大事にせねば、人の上に立つことはできぬと。
いかがでしょうか。かなり、意訳をしてありますが、いい方法ですよね。
上司の中には、優れた意見だけを求めるせっかちな方もいるかもしれません。でも、あなたの求める正しい意見・良い意見だけを求めるのは不可能です。誰もが意見を出すことができる環境は、どんな意見を出しても、バカにされず、きちんと話を聞いてくれる上司や同僚がいてこそ、出来上がるのです。